書籍が書店に並ぶには、店員が出版社や取り次ぎに注文を行っています。売れそうな本を選んで、店頭に並べていくのです。店員の好みなども多少反映されるかもしれませんけど、読者の反響の良さそうな本を選ぶことが大切です。書籍が店頭に売れ残ってしまうと、店員は返本処理をしなくてはなりません。返本処理を行う際に、出版社と取り次ぎと書店の間に取り決めがあります。
書店と取り次ぎの関係性
出版社は書店に直接本を送るのではなく、間に「取り次ぎ」という業者がいます。出版社から取り次ぎへと書籍が渡り、取り次ぎから書店へと配本されます。出版社が取り次ぎを通すメリットは、全国の書店に本を配る手間が省けることです。取り次ぎはほかに、書籍の売掛金の回収など面倒なことを行っています。
出版社と書店が直取引
取り次ぎを通さず、出版社と書店が直取引するケースがあります。取り次ぎに支払う手数料がかからなくなるため、出版社と書店の利益分配率が高くなります。しかし、取り次ぎが行っていた書店への配本管理を出版社がすることになり、返本処理なども自社で行わなければなりません。書店も多くの出版社と直取引することになり、管理しきれないことがあるでしょう。
もし、本が売れ残ったら?
書店は、仕入れた本をすべて買い取っているわけではありません。売れ残った書籍を返本しています。書店は出版社から預かった書籍を店頭で販売し、売れた分の売上代金を渡し、売れなかった書籍を出版社に戻します。委託販売を引き受けているのも、取り次ぎです。取り次ぎが出版社から書店に本を送ると同時に返本も引き受けています。
街の本屋が少なくなってきている
街の本屋は年々少なくなってきており、ネット販売などが増えています。出版社が書店と直取引をする背景として、街の本屋が少なくなってきていることと関係があります。本屋の数が多ければ出版社は手が回らず、取り次ぎに委託販売することになります。出版社のほうも「出版不況」などと呼ばれ、廃刊する雑誌が増えています。出版社と書店の数が減ることで、取り次ぎの必要性がなくなってきているということではないでしょうか?
まとめ
今までは出版社から直接書店に本が送られるのではなく、取り次ぎを通して全国の書店に配られていました。現在は、出版社と書店の直取引も珍しいものではなくなってきています。取り次ぎがいなくなることで、出版社は書店への配本と返本を引き受けることになり、書店は出版社と連絡する機会が多くなるでしょう。売れ筋の本などは取り次ぎが決めていましたが、書店が独自で選ぶようになっていきます。